西南戦争の田原坂の戦いで西郷軍の抜刀隊に、徴兵の新生日本帝国陸軍が苦戦し、山縣有朋がいやいやながら(自分が作った徴兵制を否定することになるから)警視庁の旧士族たちからなる抜刀隊を組織し西郷軍と血みどろの白兵戦を戦った。彼ら警視庁の抜刀隊を歌ったのが、1885年に発表されたこの古い軍歌である。作曲はお雇いフランス人のシャルル・ルルー。
反乱軍の大将とはいえ、当時の日本における大西郷の存在感が如実に現れているのが歌詞の一番だ。敵の大将を「古今無双の英雄」と呼んだ軍歌は珍しい。
我は官軍我(わが)敵は
天地容れざる朝敵ぞ
敵の大將たる者は
敵の大將たる者は
古今無(双)の英雄で
之に從ふ兵(つわもの)は
之に從ふ兵(つわもの)は
共に慓悍(ひょうかん)決死の士
鬼神(きしん)に恥(はじ)ぬ勇あるも
鬼神(きしん)に恥(はじ)ぬ勇あるも
天の許さぬ叛逆を
起しゝ者は昔より
起しゝ者は昔より
榮えし例(ためし)あらざるぞ
敵の亡ぶる夫迄(それまで)は 進めや進め諸共に
玉ちる劔(つるぎ)拔き連れて 死ぬる覺悟で進むべし
敵の亡ぶる夫迄(それまで)は 進めや進め諸共に
玉ちる劔(つるぎ)拔き連れて 死ぬる覺悟で進むべし
完璧なまでの5-7-5のリズム。日本人ははるか昔からラップを知っていたのだ。
ちなみに、陸軍=陸自のみならず警視庁も、いまだに観閲式にはこの曲を使う。なーんだ、旧軍の伝統を墨守しているのはなにも海軍だけじゃないんだネー。
日本はなかなかの軍歌大国なのだ。
「軍艦行進曲」、「抜刀隊」、「出征兵士を送る歌」、「同期の桜」、「加藤隼戦闘隊」などなど。
軍歌なんてまぁ物騒な!と浅はかにも思った方には今すぐアメリカとフランスの国歌の和訳を音読することを勧めたい。
今年の紅白で三宅ゆかりさん(海自の東京音楽隊のソプラノ歌手、岡山城東高校の大自慢!)が、「抜刀隊」を歌ってくれたら俺はもう清水ジャンプでX5買うぞ。
○夜、羽田に国際線で帰って来る。国内線用の滑走路数本が着陸前から着陸直後まで機の左側によく見える。
滑走路には、青や赤や黄色のライトによって控え目に、だがはっきりとした誘導灯の刻印が刻まれている。
夜半にこの3000m級の滑走路を、ライトを消したスポーツカーで全力疾走してみたい。
○恋愛と結婚は、ソフトボールと野球の関係と同じだと考えるから結婚が破綻するのであって、その二つはむしろ野球とゴルフの関係により似ている。ゴルフをする前に野球に上手くなる必要が全くないのと同じように、夫婦という集団が組織として上手く機能していくために当人らが恋愛において上手であるかどうかは全く関係がない。だのに自由恋愛礼賛のこの時代には、恋愛に上手くないと結婚にまで至らない。しかし、幸いに恋愛が上手く行ってソフトボールから野球に移行したつもりが、実はゴルフだったと判明してから3分の1の夫婦が離婚する。
まことに面白き人間模様ならん。