2014年2月17日月曜日

極端な気候

車を買うなら絶対車高の高いSUVだな...と決意した先週末に続く大雪。大雪にも大雨にもジープのような車なら安心である。先週金曜日の夜は、寓居の側を車高を下げた白いアルファードが、フロントバンパー下のスカートで除雪車みたいに雪を押し出しながら走っていて、なるほど〜便利やねーと感心していたら、確かに後続車は少し走りやすそうだった。

さて。

高知県で42度の史上最高気温を記録した猛暑の夏の後の冬、都内に25cmの積雪。シカゴがマイナス30度で街中が凍り付いている時、テニスのオーストラリアオープンが開催されたメルボルンは気温が40度を優に超え、試合は中断され、ボールボーイは気絶し、ある選手はコート上で目玉焼きを作ってみせた。

原発事故以来、日本では気候変動や温暖化という言葉は放射能とか活断層とか使用済燃料とかの言葉によって駆逐されてしまった感がある。
しかし、本当に命を危険にさらし、あるいは実際に殺しているのは、どの電源なのだろうか。人によれば、中国では大気汚染のせいで年間数十万人が亡くなっているともいう。

世界がこれからどう変わろうとも、恐らく絶対に間違いのない二つの方向性がある。人口爆発と都市化だ。インド、トルコ、アフリカや東南アジアなどの新興国の人口は増え続け、同時に増えた人口も元から存在した人口も都市を目指す。
この二つとExtreme Climate(極端な天気)が合わさった時、我々は毎年世界のどこかで昨年フィリピンを襲ったような無慈悲なほど狂暴な自然の猛威を目にすることになるだろう。さらに、現在のハイチが典型だが、新興国はおうおうにして政府の資金や人材・資機材のリソースが十分ではなく、一度治安が不安定化すればその回復に先進国の場合よりもはるかに時間を要する。誰もが納得するところだが、東日本大震災が日本以外の国で起こっていたならば、はるかに沢山の人が亡くなっていただろう。

こう考えると、日本から資金を持ち出して成長する世界に投資をしていくことは資産ポートフォリオ組成上大切なことではあるけれども、これまではあり得なかった規模の自然災害というものもテールリスクとして意識せざるを得ないように思う。

二つの違う話をしたようだが、そうでもない。日本は、世界に対して気候変動について無関心であるという姿勢を見せてはならんのだ。その対策の一つとして、慎重に原子力を運用していこうという我々のエネルギー政策を誰も口悪しく罵ることもないだろうし、原子力先進国としての日本が存在することは、世界にとっても重要な意義あることだと信ずる。


【バンコク=永田和男】http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20140217-OYT1T01193.htm?from=main5
ケリー米国務長官は16日、インドネシアのジャカルタで気候変動問題に関して講演し、「気候変動は今や世界で最も恐ろしい大量破壊兵器と言える」と警告した。


その上で、二酸化炭素排出量削減のため、再生可能エネルギー導入を世界的に進める必要性を強調した。米国務省が講演内容を公表した。
 ケリー長官は、昨年、フィリピンを襲った超大型台風や2011年のタイの大洪水を例に挙げて、「この地域が気候変動の最前線にあるのだ」と語ってアジア各国にこの問題への一層の取り組みを求めた。
 15日には、米国と中国が気候変動に関する共同声明を発表しており、直後にインドネシアで行った講演には、経済成長にともない二酸化炭素排出量の増えるアジア各国にも連携を訴える狙いがあったとみられる。
(2014年2月17日20時35分  読売新聞)