2014年5月4日日曜日

過剰の悦楽〜高校野球


高校野球に充溢するこの無駄!この過剰!

-無駄に短すぎる坊主頭、五輪刈。
-マスカット球場の右翼左翼からこだまする大音声の意味不明なほど大迫力の応援。
-生徒以上に気合の入った一目でそれと分かる強豪校の父兄連中。

こんなものがなに一つなくとも高校野球は高校野球として存続していくであろう。だが合理性と論理では全く説明ができぬ、カタギではない世界に身をどっぷり浸した経験とそこで味わった屈辱は、彼らがやがて人間として大きく成長していくための基礎になる可能性を秘めている。

関西高校の17番の高橋君はよい選手である。
三塁ランナーだった彼は、浅いライトフライでタッチアップで本塁へ生還した。その際に果敢にヘッドスライディングで本塁突入したものだから、膝上から胸まで真っ黒になった。彼は、興奮した審判が"せぇぇえふっっ!!!"と叫ぶそばで、土をふるい落とすでもなく冷静に本塁と一塁の線上に転がっていたバットを拾いに走ったのだ。激しいプレーのなかのこの冷静さ。勝つチームには必ずこれがある。昂ぶっている強いチームはない。
こういう選手が17番を着けているということは、やはり関西が昔も今も変わらず強豪校であることの証明であろう。
今日のMVPは関西の3番、攻撃の主軸を務める右翼手・土井君。変化球も速球も、右へ左へと華麗な打撃を見せてもらった。

これで俺が入場料として支払ったのは500円。Yankee Stadiumで観戦したヤンキース戦の66分の1...。
素晴らしいValue for Money也!