2011年9月24日土曜日

秋の信州へ①



「いっちゃん、おはよ。これから長野に行くで」
「おはよ~。わぉ長野、行きましょ行きましょムニャムニャ。バモ~ス!(スペイン語で”Let's Go")」

という会話が23日朝5時。

それから光の速さでおむすびとサンドイッチと果物と重武装のピクニックセットを”びぃと”(愛機BMW)に載せて、家族を乗せた父ちゃんたちの車で大渋滞の中央道に乗ったのは朝7時過ぎ。
渋滞も相模湖を超えた辺りで峠を越し、以後は林間を縫って走る中央道の追い越し車線を、覆面鳩見張を厳にしつつ一路北西へ向けて巡航。長野県は諏訪湖の北の岡谷で高速を降り、ひたすら山坂道を登って辿り着いたのは標高2000m超の美ヶ原(http://www.mcci.or.jp/Utukushi/)。

植物の植生が針葉樹林から灌木になり、やがて英国の草原のような場所になる。
開けた場所に建てられた掘立小屋のような展望台からは、360度、雲を眼下に見下ろし天を見上げる雄大な光景が迫る。
CanonのEOS Kiss X5のダブルズームキットが前夜に届いたばかりで、嬉しいもんだからなんでもかんでも写真を撮りまくる。



展望台で妻と写真をとってキャッキャッと子供の様に騒いだ後、美ヶ原の天辺に。
気温は8.5度。吐く息は白くなる。霧のような雲が体を包む。バイカーはなぜかでぶっちょが多い(In Good Shapeのバイク乗りの皆さん、ごめんなさい)。


「いやぁ、いい景色やねぇ」と話をしながら高原の草原のなかの道をバイカーに挟まれながら走っていると、「美ヶ原牧場」の文字がナビに。
ここに食らいつく牛さん大好きな妻。
綺麗なトレイルコースが牧場の中を走っているので、二人してブーツとバレエ・シューズをトレッキング・シューズに履き替えていざ出発進行~~~


牛は、「モ~」と、全く鳴いていなかった。
酪農の屋外講座を拝聴しつつ、馬と牛が今となく今を暮らす牧場のなかを散歩。それにしても一眼レフって皆持ってるんですね。
全く俺の不勉強なんだが、お乳を出すのは当然ながら妊娠・出産した雌牛だけ(なんぼなんでもこれは知ってましたよ)。でも、これまた当然ながら、生き物だから雄も産まれる。50%の確率で。
雄たちは、肥育されて肉牛になる。お店で「国産牛」として売られているもののほとんどは、この少しだけ可哀想な雄牛たちだそうな。人間の雄でよかった、かな。
もう一つ。
この日本では、放牧されている”幸せ”な乳牛は、ほとんどいないらしい。その割合、実に13%(全飼養頭数に占める放牧成牛の割合)。北海道だけは22%だが、北海道を除くと2%!
「だからなに?」と言う人もいるだろうな。だって、俺らは鶏舎に詰め込まれて昼夜人工の光を浴びて眠ることなく食べ続け太っていくブロイラーの肉をそこら中で食べているのだから。






久しぶりの田舎、大好きな牧場に来て、楽しくなってしまった人。


こんな場所で、葦毛の馬と狼3匹と一緒に晴耕雨読の暮らしをするというのは、一つの捨てることができない夢だなぁと二人で話した。人の声も車の音もしない草原に寝っころがって、地上より2000m高いところから空を睨む。いろんなことを考えたね。
夜は温泉宿へ。深夜に高橋富雄「東北の歴史と開発」を読む。
きわめて重厚、きわめて興味深い著作だ。これについては明日以降にじっくりと書こう。

明日は長野の善光寺!「牛にひかれて善光寺~」の善光寺。
「轢かれて」?「引かれて」?それとも「惹かれて」???

最後に今日のベストショットをどうぞ!