自分を認め、褒めてくれる人のみを慕い、その人に近づいて行く人。
中等の人間:
誰にも関心を持たず自らの世界を独力で作り上げる人。
高等の人間:
その人の全人格を問うことなく、あらゆる人から個別の精神的または物理的な徳を取得するために接近しつつ、自身を自ら教育して行く人。
人は、自らの器と同じ器の人間しか評価できぬ。人間が巨きいといっても別に身長が2.5mあるわけではないから、人間同士の関係をあくまでも形而下において把握する人は、自分の器を超える人物を正当に評価することができない。
このことを違う言い方で言うなれば、すなわち、ある人を本当に偉大な人だと思い敬うことができる人は、潜在的にその人の高みにまで登り得るだろう。
だから、貴様はけっして自分から見て、明らかな馬鹿であるからといって勘違いしてはいけない。貴様自身の劣等の故に、彼や彼女が劣等に見えているということはありそうなことなのだから。
ニーチェは、たぶんほとんど全ての同時代人から、狂人としか見られなかったんだろう。
やがて俺はドイツはレッケンの、ニーチェの墓に参りたいと思う。
生への絶対的絶望と死の主観的超越の可能性を俺に示してくれたニーチェは、大マルクスと並んで俺の精神の漬け物石である。