さっき河北省で日本人四人が中国当局に拘束されたというニュースが入った。
報復である。
米軍はグアムに36時間滞空可能な無人偵察機をGuamのアンダーセン空軍基地に、B52 爆撃機を三沢基地に展開させた。
示威である。
あぁ、これからは「人間の安全保障」だ、などという主張に幾分かの正当性が認められるかに思われた時代がはるか昔のことのようだ。この東アジアの非常に微妙な国際関係は、均衡を失えば破滅する小さな可能性を秘めている。
恐らくは、現在の尖閣諸島をめぐる問題で弾丸・ミサイルが飛ぶことはないように思うが、中国国内の不動産バブルがはじけ、成長率が3%ほどに停滞し、国内の秩序が動揺するような事態になれば、北京は外部への実力行使、或いはそのための挑発によって国内を統一しようとするだろう。
今この瞬間にも、海上保安庁の隊員は、ヘルメットをかぶって海上の巡視船の上にあるだろう。それは、恐るべき緊張を伴う仕事に違いない。彼らの日々の任務遂行に敬意を表し、二国関係にこれ以上の不足の事態が起きぬことを祈る。
ジョセフ・ナイ流のリベラリズムの時代は終わった。それは、所詮冷戦終結直後の特殊な国際関係の状況を記述したのみだったというと言い過ぎだろうか。これからは、E.H.Carr やKissingerが再度評価されることになるだろう。国際関係を規定するもの、それは実力=軍事力を筆頭とする、他者に対して行使しうる有形力。
中国と日本の間の最悪の事態を想定することは何よりも大切だ。
そして、そのためには中国の対外行動の源泉を注意深く読み解く努力を必死に行わねばならない。
銘記せよ。第一次世界大戦を惹起した直接の原因は、オーストリア・ハンガリー帝国のフランツ・フェルディナンド皇太子を襲った一人の青年が放った小さな弾丸であったことを。
今朝の朝日新聞朝刊に、企業が生産拠点を海外に移転するから日本から仕事が飛んでいく!という不安げな労働者の声を代弁するぞ!という意気込みを感じさせる記事があった。
はて。
朝日新聞はこういえばよいのだ。
「日本の労働者諸君、こんな腐りきった国にも国内で仕事を維持することにも関心がなく円高になればさっさと工場を海外に移転してしまう企業にも頼る必要は全然ない。諸君は『世界市民』なのだから、日本で暮らすことにこだわる必要は全然ない。諸君が受けた高度な教育と勤勉、特に製造業における諸君の豊富な経験は新興経済国では高く評価されるだろう。人口が減少し、あとは衰退するのみの日本に、コロコロ首相が変わることが『政治』となってしまったこの日本に、なぜ諸君は愛着を持って暮らし続けようとするのか。モノとカネだけがやすやすと国境を超える時代に、ヒトだけが国境に拘泥していてはだめなのだ。世界市民諸君、君たちは日本を捨て、新たな世界で豊かな生活を始めるのだ。」
まことに我々労働者だけが資本とモノに従属している。
本来これらは、我々が生みだしたもの、我々が支配するべきはずのものであったのに、である。
ANAの新しいテレビCM。「鍛えた翼は、強い」。
最近「JAL 腐った翼」という本が出版されたから、余計当てつけに聞こえますな。
それにしても、AsiaAirの参入でクアラルンプールに5000円で行ける時代に、大手航空会社が東京から博多へ飛ぶ便に25000円を請求し続けることは難しいだろう。やがて国内線にもLCAが参入してくるだろう。
ロンドンから帰国して、まず最初に納豆山菜ソバを食べた。翌日は、箱根の天山温泉湯治郷(http://tenzan.jp/tenzan/)にじっくり浸かった。
ロンドンは好きだが、温泉がないしバスタブも浅すぎる。
よくシャワーだけで人生を生きていけるものだなぁと、源泉かけ流しの湯に身を浸しながらふと不思議に思った。そう思うと、このモンスーンのジメジメの湿気も、温泉という酒の肴なのかもしれぬ。
最近ろくに勉強をしていない。語学、歴史、経済。10月末までに15冊を目標にじっくりと取り組もうと思う。
賀茂川に本を読むためだけに行きたいなぁと思う今日この頃である。あのあたりは観光客も少ないし。散歩と読書と思索。そして賀茂川の風。
俺はビジネスマンとしてのこの時間を、将来の俺のための肥しにせねばならんと思う。
今日買った本。
・船橋洋一「新世界 国々の興亡」朝日新書
・新谷忠彦「ゼニオロジー支配社会」幻冬舎ルネッサンス
・西原正他編「軍事大国化するインド」亜紀書房