| 経済的格差 | ナショナリズム | 日本の外交/安保政策 | 世界の趨勢 |
江戸時代 | 大(士農工商) | なし(国=藩) | 鎖国(出島のみ) | 帝国主義 |
明治~昭和30年頃 | 大(貴族制度) | 強固(Ex. 教育勅語) | 開国、やがて帝国主義 | 帝国主義 |
昭和30年頃~1990年 | 小(一億総中流) | 経済ナショナリズム | 帝国主義、やがて平和主義・日米同盟 | 冷戦 |
1990年~現在 | 中(格差拡大) | 弱(自信喪失) | 日米同盟の地域的拡大 | パクス・アメリカーナ |
現在~ | 大(階層固定化) | なし(原子的個人主義) | 基軸なし?(「東アジア共同体」?) | 新帝国主義 |
問題は、「現在~」の時代に、ナショナリズムなき時代に新帝国主義の時代を日本は生きていかねばならんということだ。
江戸時代は、世界は帝国主義だったが日本は海に守られて、鎖国体制のなかで豊かな文化圏を築いた。
明治~の時代には、ついに日本にまで到達した帝国主義に抵抗するために、否応なくナショナリズムを醸成し、先進帝国主義国に倣った。
戦後の時代は、軍事的・政治的なナショナリズムを放棄したが、冷戦構造という時代の枠組みのために、アメリカの核と第7艦隊の力に保護された。
バブル崩壊後の時代は、長き冷戦構造が崩壊し、同盟国が唯一の超大国として世界を制覇し、米国流の資本主義経済が世界を覆いつつあった。日本の”安保ただ乗り”はもはや許されず、湾岸戦争での機雷処理を始め、自衛隊の活動はさらに地域的に拡大した。
そして、将来においては、米国は唯一の超大国(=圧倒的な政治力・経済力・軍事力を背景に他国を無視して行動できる国)ではなくなり、世界は多極化する。世界は保護主義・新帝国主義の時代を迎えるが、日本は脱ナショナリズムのポスト・モダンというべき国内政治大混乱と人口減少・経済規模減衰の衰亡期を迎える。
しかし、こう考えると、帝国主義が世界の常態なんじゃなかろうか、と思う。
ナショナリズムという刃を持たず、大荒れの嵐の海のような新帝国主義の海にこぎ出す(こぎださずとも既に海のなか)日本という船に、船頭はいるか。針路を示すコンパスはあるか。海図はあるか。