2012年12月11日火曜日

[FT]日本の再軍備を支持するフィリピン、中国との均衡探る

 

http://www.nikkei.com/article/DGXNZO49419940R11C12A2FF1000/

 
 
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フィリピンは軍事的な自己主張を強める中国と対抗させるために、平和憲法で武力を放棄している日本の再軍備を強く支持するかもしれない。
フィナンシャル・タイムズとのインタビューでデルロサリオ比外相は「我々は日本の再軍備を大いに歓迎するだろう。地域でのバランス要因を求めており、日本は重要な役割を果たすことができる」と語った。
 中国を刺激する危険を冒す際だった発言は、南シナ海の実質的な領有権主張という中国の挑発に対するフィリピンの警戒心を映し出している。外相の発言はまた、平和憲法の改正と軍備の強化を主張する安倍晋三元首相の返り咲きが有力視される日本の総選挙直前のタイミングで飛び出した。
 日本の自衛隊を一人前の軍隊に格上げする憲法改正は日本に作戦行動上の多大な自由を許し、アジアの軍事バランスを変える可能性がある。
 公式の平和主義にもかかわらず、大型水上艦の保有は中国海軍の70隻あまりに対し、海上自衛隊は約50隻を擁する。アジア諸国からの日本の再軍備への支持は、憲法改正に向けて安倍氏を勇気づけるだろう。
 中国は日本の軍国主義の復活に対する不安を長く提起してきた。日本に植民地化された過去がありながら、日本の再軍備を容認するフィリピンの態度は海洋進出に積極的な中国に対する恐怖が、過去の侵略被害の記憶を打ち消す始まりになるかもしれない。
 今月、フィリピンは中国海南省の公安当局が、中国領とみなす海域に入った船舶を取り締まるとの発表に反対を表明した。また、中国政府は、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、台湾、インドネシアがそれぞれ部分的に領有権を主張する南シナ海のほぼ全域を自国領とみなす地図を掲載したパスポートの発行を開始。フィリピン政府は抗議のためにスタンプを拒否。デルロサリオ外相は「度を越した主張は国際法に違反している」と語る。
 東南アジア諸国は中国の「平和的な台頭」外交の突然の変更を懸念しており、米国の関与の復活を歓迎している。デルロサリオ外相は比米は米艦船の寄港や共同訓練を増やすことで合意していると、語った。各国はまた日本が実効支配する尖閣諸島(中国名・釣魚島)を巡る、中日のにらみ合いを注意深く見守っている。7月、日比政府は今後5年間、防衛協力を強化する合意を取り交わした。