2010年8月29日日曜日

弾着なう



「戦車は観るもんじゃねぇっ!!聞くもんだっ!!!!!」

と誰が言ったか知りませんが。

陸上自衛隊の毎年恒例の富士総合火力演習の見学にいってきた。
なんせここ、戦争がない限り日本人が唯一日本の戦車の砲撃(その他いろいろ)を観ることができる、ひじょーに有難い機会なのであります。

90式戦車の120mm主砲の射撃の破裂音、衝撃波(数百メートル離れてました)、予想したよりも、、、凄かった。(”凄し”の原義は、「怖い」「恐ろしい」)
だが、あれほど色っぽいものはなかなかない。
海軍→空軍→陸軍の順番に好きなんだが、質実剛健の陸軍の重厚感はなんともたまらん魅力ではあります。
それと攻撃ヘリ・コブラの対戦車ミサイルの空を切り裂いて飛翔して目標を粉砕する破壊力とその美しさ。

戦争は凄惨なまでに美しい。
悲惨なまでの破壊はその美の源泉であるか、それとも代償であるか。

僕の後ろは富士山です。
雲がありました。
今日はひとりの自衛隊ファンとして見物しとっただけじゃ。

軍人がかっこいい理由、それはなぜだろう。
それは、彼らの制服が、「俺の命よりも大切なものがこの世にはあって、俺はそれを守るためにここにいる」と宣言しているからだ。
「戦って死ぬなんて絶対いやです!僕の命よりかわいいものなんてこの世にはないんです!」という男を、「平和的で優しい男ね」という女はおらんだろう。そう言う男がかっこう悪い男であることは、水がH2Oであることと同じくらい確かなことだ。
残念ながら、「平和主義国家」日本の歩んだ65年とは、すなわち「日本人には命をかけて守るものなんてないんですよ~ニコニコ」という時代だった。そんな半世紀の果てに現れたのが、「男らしくない」だの「ひ弱だ」などと言われる草食系男子なのだとしたら、彼らは環境に素直に適応して生きているだけで、責められるべきは総体としての戦後日本そのものだ。
三島由紀夫が腹を切ったのも、畢竟、そんな国家に存立の意義なぞないと看取したからであったのでしょうよ。

自分の命より大切なもの、俺はそれを与えられたことを天に感謝する。

しえしえにー