2010年10月17日日曜日

桜田門外の変

イオン倉敷で映画"桜田門外の変"を鑑賞。長谷川京子の美しさ以外に印象深かったのは次のこと。

映画の最初と最後になぜか桜田門を正面からとらえていたカメラが左に旋回して国会議事堂を大きく映す...当然それは21世紀東京の映像だ。
かつて命がけで井伊直弼を討った水戸浪士たちがやがて維新を経て打倒したのが古色蒼然たる江戸幕藩体制であるならば、21世紀の桜田門外の変は国会議事堂に集約されたる、半世紀に及んだ平和主義国家日本の打 倒を目指すものならざるべからず、そういう作者の意図があるというのは深読みか?
否、劇中にあまりに頻繁にでて来た「天下国家のため」という台詞は、この映画が明らかに現在の我が国を囲う危機について鋭敏に知悉せる者の作為を看取せざるを得ない。

すべての芸術は、思想と叫びをその奥にもたねばならぬと思う。芸術が娯楽であるならば、芸術は誰も魅了しはしないだろう。