しかし、羽田の国際ターミナルが稼働したばかりだけれど、俺はやはりLCC(=Low Cost Carrier、格安航空会社と日本では呼ばれる)の日本乗り入れのほうに注目している。
アジア最大手のLCCであるAir-Asia(http://www.airasia.com/my/en/home.html)が、最近日本に乗り入れた。Kuaralunpurまで最安値ではなんと5000円で運んでくれるという。5000円では”こだま”で東京駅から小田原のちょっと向こうぐらいまでしか行けない...!これはフリース1000円の価格破壊という次元ではないだろう。ちなみに今調べると、Kuaralunpur-羽田の往復はJALで72,000円(当然エコノミークラス)。文字(数字?)通り、桁違いなのである。
米国国内線のシェアは、Jet Blue、SouththWest、AirTranの3社で約20%を占めるにまでなっている(http://www.asahi.com/business/topics/economy/TKY201007030368.html)。欧州では最大手のRyan Airが好調だ。航空業界の地殻変動が、ついに日本にもやってきた。
10,000円で東南アジアに飛んでいける。あるいは、LondonからParisに5,000円で飛んで行ける。
こういうことは、俺は当たり前のことだと思う。
では、それはいかなる意味で当たり前か。
成田からジャカルタやクアラルンプールをJALで往復して7万円だとか8万円という値段は、インターネットが万人に普及せず、東京とジャカルタの間で連絡をとろうとすれば高額の国際電話料金か郵便代を負担しないといけなかった時代の名残なのだ。世界に出かけること、日本を出ること、海外の人と連絡をとることが「非日常」だった時代の昔のことなのだ。
2010年の今日、普通に暮らしている庶民はジャカルタに暮らす友達と話すならば、普通Skypeを使うだろう。つまり無料だ。カメラを付ければ顔を見ながら会話できる。話す必要がなければ、Gmailを使ってメールを送るだろう。写真だろうが動画だろうがなんでも基本的には添付して送付できる。当然無料。
そういう時代に、その友達が暮らすジャカルタに飛んでいくのに、8万円をあの狭苦しいエコノミークラスのシートのために支払おうという者は、最早多くないのではないかと思う。現在においては、情報通信技術の飛躍的向上と低価格化(というよりも、”Free化”)によって、人々が自身の移動に支払ってもいいと考える金額は、決定的に下落しているのだと思う。つまり、「直接会って会話すること」の価値が、相対的に低減しているのだ。もちろん、彼らの懐事情のために毎回の渡航のために数万円を支出できぬという事情もある。
かつては高給取りのビジネスマンや富裕層だけのものであった海外渡航は、完全に「民主化」された。それを背景にあって招導したのは、限りなくゼロになった情報の蓄積と交換にかかる費用である。
LCCというのは、航空業界が我々の生活するインフラの改善と変異に対応したものだと理解してよいと思う。航空会社の敵は、航空会社のみならず、実はGoogleなのかもしれない。
独り言:
大好きなPremium Molt'sに”黒”が出た。早速買ってきて今ジャガリコのじゃがバターをつまみにちびちび飲んでいるが、これ、たいそう旨い。みんな是非飲んでみてちょうだい。
暖炉の前のソファに腰掛けてドストエフスキーを読みつつMacalanを飲んでいる...というのは何年後でしょうかね。いや、囲炉裏の側で作務衣姿で黒霧島か。
ロッテマリーンズの主将、西岡選手。
最近この選手の顔つきが全然違う。かつては茶色い髪の毛で「ちゃらーい」感じだったのだが、今の顔つきは完全にサムライ、大人の男の顔だ。ああいう顔つきに俺もなりたい。
彼だけではない。サッカー日本代表として南アフリカで活躍した長谷部選手、イタリア・セリエAに移籍した長友選手。いずれも俺より年は下だが、本当に立派な顔付だと思う。男は自分の顔に責任を持たねばならん。
不藤(先日の投稿参照)はニースの隣町の語学学校の庭に生っていたミカンを捥いで食うてたらそこの庭氏に叱られたそうな。いやはや、なんとも自由ですなぁ。普通、なかなか捥いで食べんよね。みかん。