和紙職人の女性が、凍りつきそうな寒さのなかで冷たい水で紙を濾している、あのCM。たしかこれ以外にも似たようなものを観たと思う。皆さんもう観ましたかな?
少し前は、女優の黒木メイサが黒のフリースを着て踊っていた。都会的で、お洒落だった。ユニクロが苦手とする若くオシャレに敏感な女性たちを強く意識したものだろうなと感じた。
http://www.youtube.com/watch?v=ROAdOE-EKrc
それが、今回は和紙の職人だ。
日経ビジネスリーダーにも特集が最近あったので間違いないが、ユニクロは改めて「ユニクロとは何か?」を問い質し、ZARAやForever21と区別がつかぬようなブランドになってはいかんと柳井社長は考えたのだろう。たしかに、ブラトップ、ヒートテックに続く核となるべき新商品は出て来ていない。
機能性商品の開発力とそのマーケティング、そして価格に圧倒的な強さを持つユニクロの根本は、"オシャレな洋服"としてのユニクロではなく、やはり"誰にでも買える、快適な日常着"としてのユニクロなのだと思う。着ていることを着ている当人が意識する洋服が、デザイナーの個性が発揮されるオシャレなブランドの洋服であるならば、ユニクロの洋服は、着ている人がその服を着ていることを忘れて仕事や勉強や遊びに熱中できるものであればいい。そして、両者はほとんどの場合競合しないだろう。
その意味で、かっこいい女優がスタジオで踊る姿ではなく、古くから伝わる(であろう)和紙を製作する職人さんをその仕事場で空気感もそのままにカメラに収めた新しいユニクロのCMは、ユニクロの意思がはっきりと示されている、とてもよいCMだと思う。
自らが社会に訴える価値のなんたるかを忘れない企業は、強い。BtoCのビジネスであれば尚更そうだろう。
少し女性にもてたからといって世界の女性全てから愛されようとするから男は大失敗をするのであって、他の誰かに嫌われようとも構うもんかという気構えが企業の成長には肝要である。
ところで、トヨタの新型車アクアが爆発的な人気を博している。12月26日の発売から今週末の1か月弱で、国内販売台数が10万台(トヨタの目標の6倍)に達するそうな。ハイブリッドのリッター35kmで169万円。
これこそトヨタのやるべきことだと思う。トヨタは、グッチやアルマーニに憧れる必要なぞない。車を道楽やファッションとしてではなく、毎日の通勤や子供の送り迎えに使う普通の生活者のために世界最高の技術を駆使するべきだと思う。さすれば結局トヨタがGMやVWや現代や大宇の後塵を拝している新興国市場でも闘えるだろう。
しかしトヨタのVitzのCMは悲惨だな。つくってる人が一番後悔してるんちゃうかね。
トヨタはユニクロに学ぶべきだ(さはさりながら、VWもAudiを持ってるもんなぁ)。
がんばれトヨタ。VWに負けるな。
スカイアクティブのデミオで30km!を宣伝中のマツダもがんばれ〜
がんばれトヨタ。VWに負けるな。
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