2012年1月26日木曜日

Ecce Homo

人間一般に対する吐き気、嫌悪。
自分が成分として彼らと同一であることに対する自覚。
自分の肉体と精神における統一性の欠如に対する不満。
弱さを見つめることなく畜生であり続ける馬鹿に対する諦観。

そして昨日に対する復讐のために東に出ずる太陽。

世界にとって、心の慰安があるとせば、そは彼らが生まれながらにかかる性質と、精神と呼ぶに値しない精神を持っているということである。
彼らに愛すべき敵はいない。彼らは暖かい食事と人肌と、なによりも平和を求める。
他者に対する最高の敬礼は、彼との終わりなき闘争の内にのみ発見されよう。闘いは、格別の人間二人の間においてのみ、そのところを得るであろう。

「幸いなことに世界は、人がよいという他に取り柄がないような畜群がその中にけちな幸せを見つけられるようにと、そんな本能を目標にして構築されてはいないのだ。
万人をすべからく善人であれ、畜群であれ、碧い目の人であれ、誰であれ、
誰にでも好意的であれ、美しき魂であれーさもなくば、ハーバード・スペンサー氏がお望みの様に、万人は愛他的であるべしなどと要求することは、どだい生存からその偉大な性格を奪い取ってしまうことにほかならない。」

ーニーチェ「この人をみよ」
最終章「なぜ私は一個の運命であるのか」より

表参道を散歩中に記す