2012年1月30日月曜日

Steve Jobsが数千人いた国

"If today were the last day of my life, would I want to do what I'm about to
do today?"
(もし今日が人生最後の日であるならば、今日これからやろうとしていることを僕はしたいと思うだろうか?)

Steve Jobsが毎朝自らに問い続けた問いだ。彼の2005年の「Connecting the dots」スピーチのなかで触れられている。

彼は、同じ演説の中で、こうも言う。

"Remenbering that you are going to die soon is the best tool I've ever
encountered to avoid the trap of thinking that you have something to loose.You are already naked. There's no reason not to follow your heart."
(あなたはまもなく死んでしまうということを銘記しておくことは、あなたは何か失うものを持っていると考える過ちを避けるための、僕がこれまでに出会った最高の方策だ。僕たちはすでに丸裸で、何も持ってはいない。だから僕たちの心に従わない理由なんてない)

(あぁ、なんてマーク・ローランヅ的なんだろう。狼もねずみもミミズも俺も、明日死ねるし、明後日灰になれるほどには自由なのだ)

思えば、かつて日本にはSteve Jobsが数千人も数万人もいたのだ。
同級生、家族、先輩、友人を戦争でなくしたのみならず、自らがたまたま生き残ったかつての軍人たちは、Jobsのように、月照と錦江湾に身投げしたが自分だけ生還してしまった西郷南洲のように、母に与えられ、その後もう一度与えられた命を燃やす場所を懸命に探したのだ。苦しみながら、戦友にいつも敬礼しながら。
まがいなりにも世界の大国となった日本皇国は、死地をくぐり抜けた俺らの爺ちゃんのSteve Jobsが作り上げたのだ。

で、あるならば、だ。
必死の覚悟をいま決めて生きるべきは、諸君、我々だろう。いま死ぬべきは我々だろう。いま203高地に突撃を敢行すべきは、貴様だろう。潔く、あっさりと死ね。

美味いもんを喰らって女といちゃついて豪邸に住むことから逃亡して、ジャングルの一匹の虎として飢えて死にたい。
我々は、死において俺の自由意志を発揮できると確信できる程度においてのみ、このありとあらゆる面倒な世界から超絶たる位相に立ち得るだろう。

畜群から脱したいのなら、諸君、生という安全で楽しい牧場のなかで草を食んで肥え太っている暇なんぞないのだよ。

俺は一個の核弾頭になりたい。