2013年11月24日日曜日

モーターショー

東京モーターショーをザザーっと見てきた。目標は二つ。
一つ、燃料電池自動車の開発及びその普及に必要な水素ステーションを含むインフラ関連企業。
一つ、自動・自動車。いわゆるAutonomous Vehicleだ。

一つ目については、川崎重工がすこーし宣伝していたぐらい。が、「CO2フリーの水素エネルギー」というの嘘だろう。水を分解するエネルギーを天然ガスを燃やして作った電気で得ていれば、自動車が走行する段階でのCO2排出がなくても、天然ガス火力由来の電気で走るEVと何も変わるところがない。だから、「走行中に水しか排出しない夢の燃料電池車」という言い方には、少々嘘が入っているわけだ。車のボンネットに置いたソーラーパネルで作った電気を電池に溜めてこれでモーターを回して走る自動車が生まれたら、本当の意味でCO2フリーのEVということができる。

二つ目。日産自動車が米国でのAutonomous Vehicleの開発について、リーフを一台会場に置いて、そのそばのIpadで報告していたが、それだけ。ちょっと残念。2020年には自動・自動車を売ると言っているのにね。
2.5時間見た中では独Boschが最も自動・自動車に力を入れているように感じた。
http://www.bosch.co.jp/jp/press/group-1305-04.asp

ちなみに、米国では高速道路だけで人間のミスに起因する交通事故で3万人以上が死んでいる。
自動・自動車の開発にグーグルをはじめ世界のそうそうたる企業や大学が気合いを入れているのは、この「3万人」を減らすことに大いなる市場があると確信しているからだ。
イラクへの侵攻とその後の戦争でもせいぜい米国軍の戦死者が5000名程度であることを考えれば、毎年3万人という数がどれほどの数字が分かるだろう。あるいは、2.5年で10万人以上が死んだシリア内戦。これに比肩するほどの人間が、自動車という快適な乗り物を我々が使う便益に否応なく付随してくるコストとして死んでいるのだ。誰も大きな声ではそんなこと言わないが、もし本当に人の命が地球よりも重いものであるならば、それほどかけがえのないものであるならば、我々は明日にでもこの車という凶器を世界から撲滅できるだろう。が、車がもたらす快楽と便益に、我々ドライバーの根拠のない「僕はだいじょうぶ」という自信が組み合わされ、今日もどこかで人が死ぬ。

HONDAが、「我々の名前は『本田技研』。自動車会社だとは言っていない」と書いていたのは面白かった。「ユニカブ」などの未来の製品群がこれからどんどん登場してくればよいな。

とはいえ、俺は自動車には興味があるが自動・自動車にはまだ興味がない。
というわけで、やはりBMWがいいな。というより、車はFRでないとだめだ。