2012年3月20日火曜日

マツダの革命



マツダの次期アテンザとも目されるプロトタイプ、「雄(たけり)」。
昨年の東京モーターショーにて。
世界で唯一のロータリーエンジン車メーカーであったマツダだが、今年6月でRX-8の生産を中止する。
ネット上ではこの「雄」に新世代のロータリーエンジンを!などという声もあるが、そんなわけはない。
この今はまだプロトタイプの「雄」が将来生産ラインに乗った時、搭載されるのはSkyActive、クリーンディーゼルに間違いない。
というより、マツダよ!ぜひそうしてください。

CX-5というマツダの野心作(SUVになるのかな~)が発売されたが、目下異常な売れ行きだ。


この車は、電気自動車・ハイブリッドに次ぐ第三のエコ・カーとして、日本メーカーでは初のクリーン・ディーゼルがラインナップされた。2月末の発売から、月間販売目標である1000台の8倍の台数が3月中旬までに売れたという。うち70%がディーゼル。

このエンジンは、日本人の「ディーゼル=五月蠅い、汚い」という悪しきイメージを打破し、走行中は”エコ”だが生産と廃棄の両時点ではとても”エコ”とは言えぬハイブリッド以外の選択肢をマーケットに提供するものだ。非常に価値は高い(EVは普及の途上)。
1L辺り20kmを走り、トルクは4LのV8エンジンに匹敵する。アウトバーンという弱肉強食道路を持つドイツで強いマツダが作ったこの新作は、最高の長距離・高速クルーザーでもある。
家族四人でキャンプに行ったりスキーに行ったり、あるいは妻と二人で1000km以上のドライブ旅行をしたり。あるいは、トレーラーを引っ張ったり。25~45歳の活動的で野山が好きで、既存の「自動車ヒエラルキー」が大嫌いで、大箱の先っちょにエンジンを積んで四隅に小さなタイヤが申し訳なさそうにくっついているミニバンはいやだなぁと考えている父ちゃんにぜひおすすめしたい。

ちなみに、ディーゼルエンジンが使う軽油は、石油を精製する過程で副産物として大量に出される。現在は、なんと日本からこの軽油を輸出している。つまり?クリーン・ディーゼル車が増えれば、自動車の全体数が増えない限り、日本に輸入される原油量を削減できるのだ。

日本の中東の石油への依存を減らし、貿易赤字発生の防止に努め、安い軽油と抜群の燃費で家計を助け、しかも420Nmという巨大なトルクで加速性能もこれまでのエコカーとは段違いのFUN TO DRIVE。

デザインが気に入ったら、即買いでもいいぐらいの車だ。かつてアテンザが窮地のマツダを救ったように、この3月期に大手自動車メーカーで唯一の大赤字決算となるマツダを救う救世主になるだろう。

内燃機関から遠ざかろうとする(?)大手メーカーがあるなかで、エンジンの可能性を常識を無視して追求したマツダに拍手を送りたい。欲しいなぁ。