2012年11月22日木曜日

夢を語る奴が地獄の扉を開く

いま核兵器廃絶は可能だ!と言っている法螺吹きは、時代が時代なら大東亜共栄圏を築くのだ!と叫んでいたに違いない。
核兵器のない世界が核兵器のある世界より断然安全で安定しているなどと考える根拠は一体全体なんなのだろう。
核兵器が誕生する前から人類はそれはそれは盛大に戦争をしてきた。

次のハイエクの言葉の国家を世界に変えて読んでみるといい。

「国家をこの世における地獄と絶えずしてきたのは、国家をこの世における天国にしようというあの努力以外のなにものでもない。」

フランスが持ち、中国が持ち、アメリカが持ち、イギリスが持ち、ロシアが持つ核を日本だけは、いや、日本は持つことについて議論することさえだめだという人間は、たぶん「日本人は危険な人種だから核兵器を持ったらすぐに北京に向けてミサイルを発射するだろう」とでも考えているんだろう。

核兵器は悪である。
だが、人間社会から悪を一掃してしまえば善だけが残るなどと考えられるのは、あまりに幼稚な議論だろう。
悪も受け入れるから大人なのであって、悪を受け入れても悪に染まらないから大人なのだ。

橋下大阪市長の「核兵器廃絶は無理」発言に対する長崎市長の「ご存知ないのではないか」発言に呆れて。