2010年10月27日水曜日

ニーチェ、我が心の友(ジャイアン風?)

"孤独なる者よ、なんじはなんじの自我の路を往く!しかも、その路はともすると、なんじのほとりを、またなんじの七つの惡魔のほとりを通り過ぎてしまいがちである。
なんじはなんじ自身に対して異端者たり、魔女たり、予言者たり、白痴たり、懐疑家たり、汚涜者たり、また無頼の徒たるべきだ。
なんじはなんじの炎のなかに自らを焚かねばならぬ。なんじまず灰燼となることなくして、いかに鮮しく生まれることを望みえようぞ!
孤独なる者よ、なんじは創造者の路を往く。なんじは七つの惡魔から、一つの神を創造せんと願っている。
孤独なる者よ、なんじは愛する者の路を往く。なんじはなんじ自身を愛している。さればこそ、なんじはただ愛する者のみが軽蔑するごとくに、なんじ自身を軽蔑している。 軽蔑するが故にこそ、愛する者は創造せんと欲する!おのれが愛するところのものを軽蔑せずにありえた者が、愛について何を知るものぞ。
同胞よ、なんじの愛をもて、またなんじの創造をもて、なんじの孤独の中に行け。時を経て後、公正はようやくなんじをた追って、跛足ひきつつつききたるであろう。
同胞よ、なんじ我が涙を得て、なんじの孤独の中に行け、 自己を超えて創造せんと欲する者、かくして没落しゆく者ー、われはこの人を愛する。"

ーFriedrich Nietzsche
「ツァアツゥストラかく語りき」上巻149-150ページ、新潮文庫