2014年1月11日土曜日

小説「原発ホワイトアウト」

霞が関の現役官僚が匿名で昨年秋に上梓したコンパクトな小説。東電を関東電力、新潟を新崎などとした架空の話ではあるが、これが全てフィクションだと言い切れる者はまさかいないだろう。
民主主義政治において圧力団体が如何に利益誘導を行うかについて無知な人(もちろん俺もだが)にはとてもよい教材だと思う。
原子力には興味はないが日本の統治機構の在り方に関心がある、という人は読んで損はない。原子力に関心がある人には必読であると勧めたい。権力の側にいる人間も必ず読むべき本である。

著者が、この本の一番初めにマルクスの次の言葉を挿れているところに非常な才を感じた。

「歴史は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として。」